「仕事を辞めたい」
誰でも一度は退職について考えたことがあるのではないでしょうか。
辞めたい理由は様々です。
勤務時間が長い、通勤が辛い、上司のパワハラ、ノルマがきつい、給与が少ない、昇進・昇給できない、休みがない、などなど…
男女の性別、年齢、配偶者や子供の有無によっても何が重要なのか、意見が分かれるところですよね。
この記事では厚生労働省が発表している統計データをもとに、仕事を辞める・退職する理由の上位はどのようなものか、なぜなのかについて考察していきます。転職サイト運営企業のデータではなく、国が公表しているデータなので信頼性は高いです。
※現時点で最新の令和2年上半期のデータを利用します。
目次
転職した人が前職を辞めた理由は?男性のケース
まず男性の理由から見ていきましょう。
※「その他の理由(出向等を含む)」31.0%、「定年・契約期間の満了」16.9%は除外して考えます。65歳以上は圧倒的に定年が、契約社員の場合は任期満了での転職がどうしても多くなりますから。
- 「給料等収入が少なかった」9.7%
- 「職場の人間関係が好ましくなかった」9.0%
- 「会社の将来が不安だった」8.1%
- 「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」7.5%
- 「能力・個性・資格を活かせなかった」5.8%
- 「会社都合」5.5%
- 「仕事の内容に興味を持てなかった」4.5%
- 「介護・看護」1.2%
- 「出産・育児」0.3%
- 「結婚」0.3%
男性の離職の理由 第1位「収入が少ない」
独身男性(一人暮らし)、または所帯を持つ男性で妻が非就労者の場合、街灯労働者の収入が日々の生活・未来に大きな影響を与えます。
「収入が少ない」は24歳以下の回答で圧倒的な1位。若い人ほど給料が少なく不満と感じているようです。
面白いことに45歳~49歳でも圧倒的な1位(21.7%)です。会社規模によっては部長になってもおかしくない年齢ですね。年齢の割に給料が少ないと不満に感じた人が多いのでしょう。
前年同期と比べると1.7%悪化しています。
男性の離職理由2位「人間関係」
職場で1日の半分以上を過ごす人も多いことでしょう。身近で一緒に働く仲間でゴタゴタがあると辛いですよね。心の病気、ひいては身体の不調にもつながります。
「人間関係」は25歳~34歳で1位でした。会社の中でも管理職になる手前の若手、中心となる年齢ですよね。上司との関係性に悩みがあるのかもしれません。
前年同期と比べると0.5%悪化しています。
男性の離職理由3位は「会社の将来が不安」
「会社の将来が不安」は35歳~44歳で1位でした。
中間管理職として中核を担う年齢ですよね。取締役や部長との接点が増える、会社の重要データにアクセスできるようになるにつれ、今まで見えなかったことが見えるようになるのかもしれません。
前年同期と比べると1.2%悪化しています。
転職した人が前職を辞めた理由は?女性のケース
続いて女性の理由を見ていきましょう。
※女性も「その他の理由(出向等を含む)」27.5.%、「定年・契約期間の満了」13.8%は除外して考えます。
- 「職場の人間関係が好ましくなかった」12.5%
「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」12.5% - 「給料等収入が少なかった」9.4%
- 「能力・個性・資格を活かせなかった」5.6%
- 「仕事の内容に興味を持てなかった」4.9%
- 「会社都合」5.7%
- 「会社の将来が不安だった」3.2%
- 「結婚」2.6%
- 「出産・育児」1.2%
- 「介護・看護」0.8%
女性の離職の理由 第1位「人間関係」「労働条件」が同率
女性の1位は同率12.5%で「職場の人間関係が好ましくなかった」、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が並びました。合わせると25%。女性の4人に1人が人間関係または労働条件で辞める、ということになります。
「職場の人間関係」はどの年代でも10%前半と高いのですが、40~44歳だけ22.4%と圧倒的に高い数字となっていました。45歳~49歳は逆に9.9%と低いので、この差が気になります。
男性の9.0%と比べて女性は12.5%なので、女性の方が人間関係に苦労していることがわかります。
前年同期と比べると2.1%改善しています。前年は人間関係が圧倒的1位だったのですね。
「労働時間、条件」は20~24歳で20.5%、45~49歳も18.1%と高い数字でした。逆に30~39歳は8.8%とやや低めです。
男性の7.5%と比べて女性は12.5%なので、女性の方が「労働時間、条件」に苦労していることがわかります。子供の送り迎えや家事育児は今でも女性の負担が大きいですからね…
前年同期と比べると1.4%悪化しています。負担が増えているようです。
女性の離職の理由 第2位「収入が少ない」
男性では9.7%でしたが、女性でも9.4%。同様に収入に不満があって転職する人は多いですね。
特に35~39歳が14.7%と高い数字です。子供の将来・教育費や住宅費、親の老後などを考えると、少しでも多く稼ぎたくて転職を考える人が多いのかもしれません。
前年同期と比べると0.4%改善しています。
女性の離職の理由 第3位「能力・個性・資格を活かせなかった」
男性では5.8%でしたが、女性でも5.6%と似た数字になっています。30~39歳で8.7%近辺となっていますが、10%を超える年代はありませんでした。
前年同期と比べると2.1%悪化しています。
ただし、年齢別で25~39歳の「結婚」「出産・育児」を合わせると10%前後となり、「能力・個性・資格を活かせなかった」を上回ります。やはり女性は結婚や出産・育児をきっかけに転職するケースがかなりあるようです。
退職する理由 まとめ
最後にまとめます。
男性の退職理由で上位は「給料等収入が少なかった」「職場の人間関係が好ましくなかった」「会社の将来が不安だった」が上位に。
女性の退職理由は「職場の人間関係が好ましくなかった」「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」「給料等収入が少なかった」が上位を占める結果となりました。また女性の場合は25~39歳では「結婚・出産・育児」が2位~3位に変動します。